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キャンプ燃料についての基礎知識

燃料が気化しにくくなる寒冷期のキャンプでは、燃料選びがシビアになってきます。今回はアウトドアに使われる燃料をテーマに、各種燃料の基礎的な情報や燃費(燃料コスト)についてお伝えしていきたいと思います。

燃料を必要とするキャンプ道具

アウトドアで燃料を必要とする道具には、どのようなものがあるのでしょうか。代表的なものとしては…

【食】
・シングルバーナー
・ツインバーナー

【住】
・ランタン
・暖房器具

冬こそ燃料について考えたい

各種燃料の特徴

ホワイトガソリン

【特徴】
ホワイトガソリンは、とにかく揮発性に優れていて、マイナス45℃という極寒の環境下でも点火源があれば燃焼をはじめるオールシーズン使用可能な燃料です。

アウトドア燃料としての歴史も古いため、対応機器の種類も多く、暖房器具を除けば、この燃料で道具を統一することも可能です。

【特筆事項】
また、燃料タンク内を加圧し、燃料を少しずつ吐き出させて使用するため、ポンピングという加圧作業が欠かせません。

【赤ガスと白ガス】
車の燃料に使われるガソリン(赤ガス)は赤く着色されていて、エンジンの駆動を促す添加剤が含まれていますので、ホワイトガソリンとは別物です。

ホワイトガソリン専用の燃焼器具に車用ガソリンを使うと燃焼ノズルの詰まりなど故障の原因となるため、デュアルフューエル対応機器以外では使用しないようにしましょう。

【注意点】

  • ガスの充満し易いテント内では取り扱わない。
  • 燃料缶の蓋を開けたままで放置しない。

揮発したガソリンが爆発炎上すると死亡事故にも繋がるリスクがあるため、取り扱いには細心の注意が必要です。

灯油(ケロシン)

【特徴】
灯油は、40℃未満の環境下では、燃焼させるのに必要な気化量を確保することができませんので、ガソリンと比べて安全性に優れ、さらに燃料コストも安上がりです。

灯油に対応している器具自体は決して多くありませんが、暖房器具から灯油やバーナーまでを幅広い道具に対応しているため、燃料の統一化を図りやすいといえます。

【特筆事項】
燃焼させるときは、ガソリン同様にポンピングの他、プレヒート(余熱)が必要ですが、氷点下でも十分に使用可能です。

【注意点】
灯油を燃焼させると必ずススが発生してしまいます。定期的なメンテナンスが欠かかせず、どちらかというと玄人色の強い燃料かもしれません。

ガス(CB缶)

【特徴】
CB缶とは、いわゆるカセットガスボンべのことです。コンビニからホームセンターまで取り扱っているところが多く、敷居の低さが魅力的です。

ノルマルブタンという液化ガスが主成分で、寒冷地用ガスには、寒さに強いイソブタンとプロパンが使われますが、氷点下ではガスが気化せず、実際ほとんど使い物にならなくなってしまいます。

【注意点】
使用後は缶に穴を開け、中のガスを完全に出してから捨てるようにしましょう。

ガス(OD缶)

【特徴】

OD缶はアウトドアの定番ガスとして古くから利用されてきました。ガスの配合内容は基本的にCB缶と同じですが、寒冷地用のものは、プロパンの配合比率を高めることで、寒さに強くしています。

燃料漏れや事故のリスクが低いことから信頼性が高く、雪山縦走など過酷なシチュエーションでも使われています。

【注意点】
CB缶と同じく、使用後は缶に穴を開け、中のガスを完全に出してから捨てるようにしましょう。

アルコール~番外編~

【特徴】
メタノールが主成分の燃料用アルコールは、プレヒートかアルコールストーブに使われます。燃料を直接燃やして使うため、とにかく手軽で、コアなユーザーから支持の厚い燃料といえます。

【注意点】
青い炎を上げて燃えますが、昼間は透明で見えなくなります。引火性が高いため、取り扱いには注意しましょう。

各種燃料の維持コスト

燃料コスト

今回登場する各種燃料の燃費を調べてみました。1000kalの熱量を得るのに必要なコストは、やっぱり灯油が圧倒的に安く、次いでホワイトガソリン 、カートリッジガスという順番です。

灯油 > ホワイトガソリン > CB缶(通常タイプ) > ケンエー燃料用アルコール > CB缶(寒冷地用) > OD缶(通常缶) > CB缶(寒冷地用)

※今回サンプルに選んだCB缶は、コストが高めのものになります。100均でも販売されていることをふまえると実際はもっと安くなるはずですので、目安として参加にしてください。

燃料コスト(参考)

想定購入価格¥/1,000kcal
Coleman 4L缶
ホワイトガソリン
(ナフサ100%)
3,218円(※1)98.0円
灯油 1L
(ケロシン)
88.83円(※2)10.19円
Coleman OD缶
regular 470g
(NB90%:PP10%)
972円(※3)164円
Coleman OD缶
super 寒冷地用470g
(IB90%:PP10%)
1166円(※3)196円
UNIFLAME CB缶250g
レギュラーガス
(NB100%)※1
300円101.3円
UNIFLAME CB缶250g
プレミアムガス 寒冷地用
(NB5%:IB95%)※1
416円140.9円
ケンエー
燃料用アルコール
324円(※4)109.6円

※1…アマゾンでの売価
※2…2019年1月時点の平均価格
※3…コールマンオンラインショップの売価
※4…ドラッグストアでの購入価格

燃料種別発熱量
ナフサ7,957kcal/L
灯油8,718kcal/L
ノルマルブタン(NB)11,837kcal/kg
イソブタン(IB)11,808kcal/kg
プロパン(PP)12,034kcal/kg
メタノール5421.8kcal/kg
エタノール7093.72kcal/kg
イソプロパノール7977.45kcal/kg

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