鍋の焦げ付きの防ぎ方と落とし方
キャンプで料理をしていると鍋が焦げ付いてしまうときがあります。今回は焦げの落とし方と防ぎ方をご紹介していきたいと思います。
鍋の焦げ対策と落とし方
火力は控えめに。中火と弱火を心掛ける。
最近の調理法のトレンドは、コールドスタート。コールドスタートとは、冷たいままの鍋に食材を入れ、弱火〜中火で調理する調理法です。
食材から過剰に旨みや水分が失われることを防ぎ、食材本来の風味を損ねず美味しく仕上げることができます。しっかりと焼き色を付けたい場合は、最後だけ強火で仕上げます。
これまでは、熱した鍋に油を馴染ませてからというのが定説でしたが、コールドスタートは焦げ付き防止にも効果があります。
加熱しすぎて食材中の水分が過剰に抜けてしまったり、食材と鍋肌の間に十分に酸素が行き渡らなくなると、炭化が促進され、焦げ付きが起きてしまいます
鍋の素材に合わせた焦げの落とし方
焦げ付いたときはまずお湯を煮立たせる
どれだけ気を付けていても、焦げるときは焦げちゃいます。そんなときは面倒くさがらずに、次の方法を試しておきましょう。焦げは放置してしまうと、落としにくくなりますよ。
- 調理後すぐに大まかに焦げをこそぎ落としておく
- 水を張って火にかける。
- 指先に熱を感じる程度までお湯を温めておく。(沸騰するとタンパク質が凝固し汚れが落ちにくくなるので、60度くらいが目安。)
ダッチオーブンをはじめとする鉄製の鍋は、毎回手入れを怠らずにいると、これだけで大体の焦げ付きを落とすことができます。
それでも焦げが落ちない…
お湯を使っても焦げが落ちなかったときは、以下の方法を試してみましょう。今回は自然への負担が少なく、フィールド上でも安心して使える方法を紹介していきます。
重曹 | お酢 | お湯 | 空炊き | 天日干し | |
ステンレス | ◎ | ◎ | 〇 | × | 〇 |
アルミ | × | ◎ | 〇 | × | 〇 |
鉄 | △ | △ | 〇 | ◎ | × |
チタン | ◎ | 〇 | 〇 | △ | 〇 |
◎:最もオススメ 〇:オススメ △:他の方法がおすすめ ×:やっちゃダメ
重曹 × ステンレス鍋・チタン鍋
ステンレスやチタン製の鍋が焦げ付いたときには、重曹が効果的。1リットルの水に対して大さじ3杯の重曹を入れて煮立たせたら、さらに半日ほど置いておきます。
重曹がしっかりと効いていれば、焦げが浮き上がり、タワシでこするだけで落ちるはずです。
※重曹は熱分解されると二酸化炭素と炭酸ナトリウムに分解されるため、自然にも優しく安心です。
お酢 × アルミ鍋
アルミ鍋の場合は重曹を使うと腐食してしまう可能性がありますので、重曹の代わりにお酢を使いましょう。
1リットルの水に対して大さじ2杯の分量でお酢を入れ、煮立たせると、重曹と同じように焦げが軟化し、浮いてくるはずです。
部屋の中でお酢を使う場合は、室内にお酢の臭いが充満する可能性があるので、換気必須です。
空炊き × 鉄鍋
鉄鍋にもっとも効果的なのは、空焚きです。まずは鍋の汚れをある程度落としておき、鍋をひたすら火にかけて焦げを焼き切っていきます。
最後はタワシやサンドペーパーで削り落として、錆防止に油を馴染ませておけばOK。
※チタン鍋も空焚きは可能ですが、焼き色がついてしまう可能性があります。
天日干し
ここまでの方法を試しても焦げを落とすことができなかったときは、最後の手段、天日干しを試してみましょう。
直射日光の当たる場所に3日〜7日間ほど置いておくと、焦げが驚くほど落としやすくなります。時間はかかりますが、先人の知恵が詰まった効果的な方法です。
※鉄鍋は赤錆の原因になるので、空焚きがオススメです。
一緒に使っておきたい助っ人アイテム
焦げを落とすタワシを一つ用意しておくと、作業の負担が減ります。私が愛用しているのは、焦げを落とすために生まれてきた専用たわし「スコッチブライト強力コゲ落とし」です。
ナイロン、ポリエステル不織布に研磨粒子を配合したものですので、スチールウールのようにガシガシと力を込める必要はありませんし、鉄臭さもありません。
(※鏡面仕上げやテフロンコーティングは表層に傷がつく可能性があるため注意が必要です。)