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その洗剤使っても大丈夫?自然に優しい洗剤を知っておこう

キャンプ場で洗い物をしているとき、「この洗剤、使っても大丈夫かな?」と気になったことはありませんか?

キャンプ場によっては、通常の食器用洗剤の使用を禁止しているところもある昨今ですが、環境に優しい洗剤とはどういったものでしょうか。

今回は”自然環境に優しい洗剤”をテーマに、その選び方を紐解いていきたいと思います。


洗剤は自然に優しいものを選ぼう

界面活性剤の役割と種類

洗剤には、洗浄成分として必ず界面活性剤が含まれています。ご存知のとおり、油と水を結び付けて汚れを落とす作用をもつ物質ですが、実は沢山の種類があり、環境への影響度合いも様々です。

最終的には、自然界に存在する微生物の力で、環境に無害な無機物へと分解されてはいきますが、その過程に時間がかかればかかるほど、環境への負担は増しますので、分解速度が早く水生生物への毒性の低いものを選ぶことが重要です。

特にキャンプ場に限っては、排水をフィールドや周辺河川に垂れ流しにしているところもあるため、普段以上に環境に配慮したものを選びましょう。

石鹸と合成洗剤

洗剤の種類は大きくわけて、合成洗剤と石けんの2種類です。合成洗剤というといかにも環境に悪そうですが、厳密にはどちらも化学合成を経て作られている点では変りません。

歴史的に合成洗剤が石けんの代替品として登場したことや、石けんと合成洗剤では界面活性剤の性質がやや異なることから分けて考えられています。

【合成洗剤の特徴】

  • 少量で泡立ち良く使用することができる。石けんより使い勝手に優れる。
  • 環境負荷が高く、界面活性剤によっては人への毒性を指摘する声も。

【石けんの特徴】

  • しっかりと泡立てて使わないと洗浄力が落ちてしまう。洗浄力自体は合成洗剤より優れる。
  • 分解速度が早く、環境への負担が少ない。

合成洗剤

合成洗剤は、1960年代に石けんの代わりとして一般家庭に普及し始めたもので、当時は、河川の富栄養化や水生生物の大量死など深刻な環境被害をもたらしました。

(当時の洗剤にはABS:分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩という界面活性剤が使われていました。)

それ以降はLAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩)と呼ばれる合成界面活性剤が主流になり、環境負荷は軽減されるようになりましたが、浄化設備の不十分な環境下では、それでも不十分な可能性があります。

キャンプのときには、AS(アルキル硫酸エステルナトリウム)かAES(アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム)が主剤の洗剤がオススメです。

【自然由来の洗剤は環境に優しい?】

いわゆるエコ洗剤の類で、自然由来の原料を使用していると謳うものがあります。これらは一見して環境に優しそうに思えますが、答えはNoです。

この背景には、原料が石油由来のものばかりだった時代に、ヤシ油など自然由来の原料を使用することで消費者のイメージアップを図ったというマーケティング戦略があります。

貴重な化石燃料を使用しないという点では一理ありますが、洗剤の環境負荷という点では、どちらが原料でも最終生成物の界面活性剤が同じものであれば、環境への負荷は同じです。

洗剤を選ぶときには、パッケージ裏面の品質表示でどのような界面活性剤が使用されているのかを確認することが大切です。

石鹸

石けんは動物性油脂やココナッツオイルなどの植物油をアルカリ剤と混ぜ合わせて反応させることで作られます。

その歴史はとても古く、起源は約1万年前。獣肉を焼いた時に滴った脂と薪の灰とが混ざった土に洗浄成分があることが分かり、石けんの始まりとして使われ始めました。

石けんは薄められると界面活性作用(洗浄力)を失うことから、合成洗剤とは性質が異なり、無機物に分解されるまでの日数が短いため、環境に優しいという特徴があります。

一方で、冷水では洗浄力が落ちてしまうことや、硬水を使用するとミネラル分と結びつき、石けんカスができてしまうなど、合成洗剤と比べてやや使いにく点があるの事実です。

レビュー上では石けんの使用感の悪さを訴えるものがありますが、正しく使えば合成洗剤以上に洗浄力に優れるのが石けんの魅力です。

  • しっかりと泡立ててから使用する。
  • 薄まると洗浄力が落ちるため、すすぎは最後にまとめて行う。

※フィールド上では固形石けんより液体石けんの方が使いやすくオススメです。

環境に優しい洗剤はどれ?

最後に環境負荷の低い洗剤を調べてピックアップしておきますので、参考にしてみてください。

ミヨシ石鹸 無添加 食器洗いせっけん
植物由来の液体石けん。こちらは私も使っていますが、液状のためフィールド上でも使いやすく、泡立ちも良く使い心地も良好です。値段が安いのも嬉しいポイントですね。
ココナツ洗剤
安全性と分解性が石けんに近い脂肪酸アルカノールアミドとアルキル硫酸エステルナトリウム(AS)からなる合成洗剤です。石鹸に次いでオススメです。
ヤシノミ洗剤
成分はアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム(AES)と脂肪酸アルカノールアミドから成る合成洗剤。AESはASほど生分解性は高くありませんが、それでもLASの2倍程度早く分解されます。こちらも合成洗剤の中ではオススメです。

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