ハイパワーでエコロジー!古き良きハクキンカイロで冬キャンプを乗り切ろう
冬キャンプに欠かせないアイテムの一つが”カイロ”です。そんなカイロには、何度も繰り返しの使用が可能で、100年近くも前から愛されてきた製品があることをご存知でしょうか。今回は”ハクキンカイロ”をご紹介していきたいと思います。
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ハクキンカイロの原理と特徴
Photo by ハクキンカイロ公式
ハクキンカイロの誕生は1923年。和暦に直すと大正12年。この記事の執筆当時で、4年後には100歳を迎えることになります。パッケージにもノスタルジーを感じる日本の古き良きプロダクトです。
発熱原理
ハクキンカイロの燃料はベンジンです。ベンジンとは、原油を蒸留させて精製する揮発性の高い液体で、ガソリンに似た独特な匂いがします。
その液体を本体に詰め込まれた中綿に染み込ませ、”火口”と呼ばれる部品を火で炙ることで、ベンジンと、火口のプラチナ触媒とが反応して熱を発します。
この熱は、ベンジンが水と二酸化炭素に分解される工程で発生するもので、直接ベンジンを燃やしているわけではありません。また、火口を炙る作業は、触媒反応を発生させるスターターとしての役割があるだけで、高い安全性を備えています。
ハクキンカイロの特徴
特徴其之一 ハイパワー
公式サイトによると、ハクキンカイロの熱量は使い捨てカイロの13倍。たった25ccのベンジンで、約50℃の温度を24時間もキープさせ続けることができるそうです。熱量も持続性も使い捨てカイロより優れています。
特徴其之二 ロングライフ
ハクキンカイロは発売してから形がほとんど変わっていません。シンプルな構造で故障することもほとんどありません。
火口(1~2シーズン)や中綿(5年~10年)は消耗品ですが、これらもメーカーより交換品が販売されているため、長く大切に使うことができます。
特徴其之三 クリーンエネルギー
発熱に利用されたベンジンは、最終的には無機物である水と二酸化炭素に分解されます。使い捨てカイロのようにごみが発生せず、環境に優しいクリーンエネルギーです。
開封〜点火
昭和の香りが漂ってきそうなハクキンカイロのパッケージを開けると、本体、ケース、燃料補給用カップ、取説が封入されていました。
本体の蓋を開けると、火口が顔をのぞかせます。この蓋に空けられた穴の形状や数で温度や発熱時間を調整しているそうです。
火口を上にスポっと引き上げると、中綿が見えました。ここにベンジンを染みこませるわけですね。
今回は、カップの上側ライン(12.5cc)までベンジンを入れてみました。この液量では12時間、倍の25ccであれば24時間というように、ハクキンカイロは液量で持続時間をコントロールします。
この補給用カップにベンジンを入れた後、くるっと回すと、すーっと静かに染み込んでいきました。
火口をライターで炙って準備は完了です。火を1秒もあててやれば、それだけで反応が始まります。※カイロを逆さまに点火させると、火口に煤がつき、寿命が短くなるそうです。
本体をケースに入れて、暖かくなるのを待ちます。公式サイト上は1時間と記載されていましたが、体感的には10分もするとしっかりと熱を持ち始めているように感じました。
使用感
これまではキャンプ以外でカイロを使う習慣がありませんでしたが、一度使い始めると手放せなくなりました。燃料補給を済ませば、一日中ずっと暖かさをキープしてくれます。
キャンプのときには、このカイロ一つでは足りませんので、使い捨てカイロと併用しています。ポケットに入れておくとかなりの熱を帯びてくれますので、冬のキャンプでも頼りになります。
マイナスポイントと感じたのは、ベンジンを使うことによる匂いです。ベンジンはガソリンにも似た匂いがあり、本体に顔を近づけると、ふわっと匂いの漂うときがあります。
今回ご紹介したスタンダードサイズ以外にも、ひと回り大きな「ハクキンカイロGIANT」やコンパクトな「ハクキンカイロmini」が展開されているので、用途に合わせて選ぶことができますね。
ハクキンカイロは、燃料を入れ過ぎると発熱量が落ちてしまいます。発熱量を高く保つコツは、こまめに燃料補給を行うこと。12時間分入れるより6時間分を2回に分けた方が、暖かく使うことができるように思います。
ハクキンカイロQ&A
シミ抜き用ベンジンは使ってもOK?
シミ抜き用ベンジンは洗浄成分が入っていることがあり、火口を傷める可能性があるそうです。べンジンはカイロ専用のものを使用しましょう。
カイロ用ベンジンはどこで売ってる?
一般的なドラッグストアで販売されているとのことですが、近隣の大手チェーンでは取り扱いがありませんでした。インターネット通販の方が確実かもしれません。
純正ベンジン以外に使える燃料は?
純正ベンジン以外では、ZIPPOのライターオイルも使用可能です。匂いが少なく持続性に優れるそうですが、純正ベンジンより高価です。
純正ベンジンが高い…
ハクキンの純正ベンジンは1本1000円弱。少し値が張りますので、エビスベンジンが半額程度と値段が安くオススメです。(※アマゾンでは定価以上の価格で売られているケースがありますので、ご注意を。)
燃料を入れすぎてしまったときは?
燃料を入れすぎてしまったときは、火口を外して、余分なベンジンを絞り出しましょう。そのまま使うと着火の際に火が上がり、火口が壊れてしまいます。
途中で消す場合
途中で消火させるときは火口を外せばOKです。ただし途中で消火すると点火し難くなったり故障の原因になるので、できれば燃料切れまで使い切るようにしましょう。
燃料切れ?途中で冷たくなってしまった
本体が冷え過ぎてしまうと、立ち消えしてしまうことがあります。そんなときは再度着火してやりましょう。