原始的で魅力的?青い炎に癒されるアルストの魅力
調理熱源の見直しのために購入していたアルコールストーブ(アルコールバーナー)。プリミティブな構造の道具ですが、実際に使ってみると手放せなくなってしまいました。
今回はアルコールストーブの魅力から欠点まで余すことなくお伝えしていきたいと思っています。
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アルコールストーブの魅力
アルコールストーブ、通称アルストは、空き缶を使って自作ができてしまうほど、とても簡単な構造です。
燃料用アルコールを本体に注いだら、あとは火を付けて燃やすだけ。直接燃料を燃焼させるため、ポンピングで燃料を気化させる必要も、寒い時期に火力が落ちてしまうこともありません。
また、コンパクトな本体は持ち運びやすく、燃焼音は無音に近いので、明け方の静まり返ったキャンプ場でも、気兼ねなく使うことができます。
そして、一番の魅力は、その佇まいです。静かにゆらゆらと揺らめく青い炎はなんとも美しく、まるで焚火を眺めているかのような心の休まる時間を演出してくれます。
今回ご紹介する道具たち
Esbit アルコールストーブ
アルコールストーブで有名なメーカーには
- trangia(トランギア)
- EVERNEW(エバニュー)
- solostove(ソロストーブ)
- VARGO(バーゴ)
等がありますが、今回チョイスしたのは1936年にドイツで生まれた「Esbit(エスビット)」製のもの。火力調整用の蓋と取っ手がついているため、使い勝手は良好です。鈍く光る真鍮製のボディもクールでいい感じ。
構造は本体、揮発防止用蓋、火力調整用蓋の3パーツからできています。本体のみで使えば最大火力、火力調整用蓋を付けると中火~弱火といったように使い分けることができます。
満タン時の容量は大体100ml程度です。最大火力では30分程度の燃焼時間を確保することが可能です。
VARGO 風防兼ウッドストーブ
VARGO製ウッドストーブは、風防にもぴったりなサイズで作られています。絶妙なサイズ感で、中に納めた状態でも火力調整が可能です。
収納時は手のひらサイズで、数mm程度の厚みにまで折り畳むことができます。今回購入したチタン製のものは軽量(メーカー公表値:116g)で、持ち運びも苦になりません。
組み立てはパラパラとウッドストーブを広げ、台座に周壁をはめこむだけ。所用時間は約30秒。いいですね。
SOTO製フューエルボトル
燃料用アルコールを持ち運ぶためのボトルには、SOTO製のフューエルボトルをチョイス。広めの口で燃料補充もしやすく、ボトルサイズも「400ml」「700ml」「1,000ml」と展開されているため、用途に合わせて選ぶことができます。
実際の使用感
400ccのお湯を沸かしたときの所用時間
今回はスノーピックのトレック900に400ccの水をいれての実験です。沸騰までの所用時間と50mlの燃料を消費し切るまでの時間を計測してみました。(室温約20℃)
沸騰時間 | 燃焼持続時間 | |
強火 (火力調整用蓋なし) | 9分24秒 | 14分53秒 |
中火 (火力調整用蓋あり) | 18分9秒 | 31分6秒 |
屋外では風の影響なんかも受けますから、加熱効率はさらに落ちることになります。バーナーを使うと、同条件で3〜5分程度の時間で済むことを考えると、アルストの火力不足は否定しようがありませんね。
そして、これは風防を使っても本体を変えても、結果が大きく変わることはありません。というのも、燃料用アルコール(エタノール)の発熱量は、他の燃料よりも明らかに劣るからです。
燃料種別 | 発熱量 |
ホワイトガソリン | 7,957kcal/L |
ノルマルブタン(NB) | 11,837kcal/kg |
メタノール | 5421.8kcal/kg |
私の場合この点はあまり気になりませんが、火力に不安を感じるならメインバーナーとして代わるものは用意しておくべきです。
燃費について
ドラッグストアで1本300円程度で簡単に手に入る燃料用アルコールですが、実際のところ燃費はあまり良くありません。
1000kalの発熱量を得るときの単価を他の燃料と横並びにしてみると、ガス(OD缶)よりは安いものの、ホワイトガソリンより若干割高という結果になります。
想定購入価格 | ¥/1,000kcal | |
Coleman 4L缶 ホワイトガソリン (ナフサ100%) | 3,218円(※1) | 98.0円 |
Coleman OD缶 regular 470g (NB90%:PP10%) | 972円(※2) | 164円 |
ケンエー 燃料用アルコール | 324円(※3) | 109.6円 |
※1…アマゾンでの売価 ※2…コールマンオンラインショップの売価 ※3…ドラッグストアでの購入価格 |
ただし、ボトル1本(500cc)から、強火で約2時間半程度の燃焼時間は得れますので、燃費は良くないものの、気になるレベルではないかもしれません。